本文へ移動

米沢平野管内ぶらり探訪 米沢市

米沢市

八幡清水・館清水 ~今も地域に活きづく清水と行者実相坊~

八幡清水
舘清水
実相坊の墓
■堀金堰と実相坊
 時は慶長9年、藩主上杉景勝公の時代。八幡清水、長清水は六郷村大字轟(現米沢市六郷町)、館清水(小山田清水)は広幡村大字小山田(現米沢市広幡町)を水源とする堀金堰が堀金地方(現川西町堀金方面)の田畑をうるおしていました。しかし、逐年人口が増加し、水田は漸次干田に改良されるに従ってかんがい水の不足を生じ、また、収穫にも多大の影響を及ぼし、激しい闘争が繰り返されていたのでした。
 これらの状況をつぶさに目撃し、いかにして堀金地方のかんがいに支障がないようにする方法はないかと深い同情をよせ、かつ近隣の用水不足からなるあさましい闘争を防止したいと心配していた人がいました。それは堀金村字田中(現川西町大字堀金)に住居していた行者実相坊です。
 慶長9年3月、藩主景勝公の奥方が大難産により、藩中の名医はことごとく召し出され、さらに諸方の神社仏閣の祈祷も行われたがその効果はなかったのでしたが、そんな時安産祈祷で有名であった実相坊が殿中に召し出され、祈祷すればたちまち安産、母子ともに極めて壮健であったといいます。そこで実相坊は、その褒美として居村堀金一円の用水困難を解消するため堰を設け、かんがいを潤沢にしてほしいと懇願し、その願いはただちに採用され、鬼面川の流水を引くとともに轟地方の落水を引いて、堀金地方の田水を豊富にしたのです。
 実相坊の墓は川西町堀金地内に祀られておりますが、その後村民は彼の人格と功績とを追慕する余り、一宇を建て「神明堂」と称し、その霊を祀り、それは安産の神として婦人の参詣する者がなかなか多いようです。今でも農作業が始まる4月に堀金の水利関係者は水神祭を行い、この墓前に集まり往事を忍び感謝の念をささげています。国営米沢平野水利事業によりかんがい用水が整備されるとともに、八幡清水からの用水や長清水・館清水の湧水は今もなお使用され堀金方面の田水を豊かにしています。なお、八幡清水は地域の桜の名所として、小学校の郊外活動の場に場になっており、各清水にはそれぞれ水源記念碑が建てられています。
米沢平野土地改良区
〒992-0012
山形県米沢市金池五丁目9番5号
TEL 0238-23-0015
FAX 0238-21-7257
E-mail yonehei@sanae.or.jp
中央管理所
TEL 0238-37-8011
FAX 0238-21-7521
2
6
4
3
5
9
TOPへ戻る